半年以上続く「財務省解体デモ」──異常な沈黙と国民の怒りが交錯する霞が関の風景

【はじめに

2024年12月に東京・霞が関の財務省前で始まった「財務省解体デモ」。その動きは今や半年以上継続し、単なる一過性の抗議ではなく、日本社会全体に広がる「声なき怒り」の象徴となっています。しかもこのデモは東京だけでなく、全国の財務局へも波及し、地方都市でも同様のデモや抗議活動が勃発しているのです。

にもかかわらず、財務省、財務大臣、そして政府関係者からの正式なコメントは一切なし。メディア報道も長らく沈黙を続け、一部がようやく小さく報じ始めた程度。この事態は、ただの抗議活動ではありません。国家の中枢に対する根源的な不信と、国民の諦めを超えた「覚悟」が背景にあります。

このデモの根底にあるのは、長年にわたる「増税路線」と「緊縮財政政策」に対する根強い不満です。とりわけ、コロナ禍後の物価上昇と実質賃金の低下が進む中、国民生活は限界に達しています。

それでもなお、財務省主導で進められる「増税方針」や、社会保障の削減、公共投資の抑制といった政策は、生活者の目には「国民を見ていない行政」と映ります。経済的な苦境の中で行われる緊縮政策は、国民にとって“見殺し”にも等しいものとして捉えられています。

デモが半年以上続いているにもかかわらず、当の財務省は一言の説明も謝罪も行っていません。これが企業の不祥事であれば、トップが謝罪会見を開くのが当然でしょう。しかし財務省は、まるで「抗議など存在しない」と言わんばかりの沈黙を保ち続けています。

政府も同様で、財務省を擁護するかのように何の対応も示さず、国民の不安や怒りに寄り添おうとする姿勢が全く見えません。これが「国民のための政治」なのかという根本的な問いが、社会全体に広がりつつあります。

そこには、財務省の無言の圧力とメディア側の忖度があります。

霞が関は、皇居に隣接する日本の行政中枢。その地で、半年以上も抗議の声が上がり続けていることの意味を、政治家も官僚も、そして国民も深く考える必要があります。

時代が時代ならば、こうした騒動が起これば、総理が陛下のもとへ参内し、混乱を陳謝するという儀礼が行われても不思議ではないほどの異常事態です。それほどの「重み」を持った場所での抗議に、政府が沈黙を貫くという今の状況は、「異常」を通り越しているといっても過言ではありません。

現在、このデモはSNSやインターネットメディアを通じて、徐々に全国へと広がりつつあります。中央省庁への抗議だけでなく、地方の財務局前での抗議や、署名運動、政治家への陳情など、行動の形も多様化してきました。

これは単なる「怒り」ではなく、「変革」への意思表示です。国民が黙っていては何も変わらないという認識が広まりつつある今、政府や財務省がこの動きをどう受け止め、どのように応えるか──その対応いかんによっては、日本の政治と行政の信頼構造そのものが問われることになるでしょう。

この半年間、国民の怒りと不信は明確な形となって表れ続けています。一方で、それを「なかったこと」にしようとする政府と財務省、報道を避けるオールドメディア。その構図はあまりにも歪であり、民主主義国家として機能しているとは言い難い現実です。

今、必要なのは「説明責任」と「対話」です。国民の声に真摯に向き合い、変革に踏み出す覚悟を持てるかどうか。私たちは、ただ静観するのではなく、問い続けるべきです。この国のあり方そのものが、今、試されています。