すべてはナポレオン戦争後から
昔、世界史で学習した1814年に始まるウィーン会議はナポレオン戦争後の世界秩序を再構築するものでした。
踊りつづけたウィーン会議で、英国は、マルタ島とオランダが支配していたスリランカ(昔に教科書ではセイロン)の割譲支配を得たことで、インドの植民地経営をし、植民地経営の東インド会社は対支那には、阿片貿易で膨大な利益を得るととものに、アヘン戦争を足がかりに香港の租借に成功しました。
その流れを汲む香港のジャーデン・マティソン社の紋章は今でもアヘンの原料である「けしの花」です。
当然アヘンの原産地あったアフガンの支配も、インド同様パキスタンをも支配下に置くことで成功したということはいうまでもありません。
オランダと英国
同時にウィーン会議に参加したオランダは、スリランカを手放して、インドネシアをゲットました。
そしてインドネシアの石油利権がロイヤル・ダッチシェルの基礎になり、ゴム園のプランテーションがオランダ人の移住植民を増幅させましたが、英国はセイロンのゲットにより、地球規模の地政学的優位を得る事が出来ました。
つまり香港~シンガポール~セイロンから南西航路で、アフリカ大陸・喜望峰を回ることでインド洋と大西洋、後にスエズ運河を建設することで、インド洋~紅海~地中海~マルタ~大西洋と広大な海洋と、南アジア、中東、アフリカの植民地経営と新大陸として、オーストラリア、とカナダをゲットし、産業革命の追い風で、20世紀初頭まで世界の覇者として君臨したという歴史があります。
英国の後退
それでも今尚、英国王室は、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなど地球上の15の国に総督を置いて、自国を含む16カ国で「英連邦王国」を形成してます。
英国がEUを離脱することになり、ともすれば、ヨーロッパ社会との一線を引くことが、英国の孤立感が目立ちます。
こんな時に、先日メイ首相の訪日を経験した日本に、あるいは、既に社会インフラや金融界で中国の影響力認めざるを得なくなった英国にとって、日本とインドの地政学的位置と関係はかなり注目しているはずです。
こうした背景を見て、今回安倍日本外交が進める対インドとの提携は、日本にとっては地政学的に中国への大きな牽制と足かせになります。
かってのEUで、日本企業が最も投資をし、対EUのコンチネンタルの各国への足がかりとなる現地事務所の殆どは、今でも英国を拠点に置かれております。
一方、一見孤立感を深める感がある英国には、英国のインフラと金融街・シティへの影響力を強めようとする中国に対する牽制として、日本との関係強化は、それは同時に、日本と英国との共通の利害と一致するはずです。
安倍日本外交
以上を踏まえて、昨日拙ブログで紹介した自作のマンガ地図を見れば、かなり多くのメッセージが込められていると、珍しく自画自賛するkazanですが、安倍総理が死ぬほど嫌いな日本のマスコミは安倍総理のインド訪問の詳細をあまり報道しません。
しかし、安全保障の面では、アメリカを軸とすれば、リムパックで、日本、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの海自・海軍の連携は既にできあがっており、通商面でも、トランプ氏の登場で、アメリカは離脱しましたが、TPPでも同様の連携はできつつあります。
これは取りも直さず結果的には、日米の対中国の封じ込め外交であり、インド洋は、インドとオーストラリアの両国には庭先であり内海に該当しますから、インド洋の安全保障の維持には、インド・オーストラリアの連携は絶対条件になります。
複層に重なったカードを通して、昨日のマンガ地図をみると、地球を俯瞰する外交を基調とする安倍外交は、とても優れていると評価されるべきで、日本のメデア・マスコミは扱いを改めるべきと考えるkazanです。
マンガ地図リンク

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