宮家邦彦内閣参与が発信した「気候変動サミット」への見解

台湾海峡黙示録

国際政治の場でプレーヤーが座って居る以上、日本は避けられない

不本意でも、国際政治の場でプレーヤーが座って居る以上、日本は避けて通れないテーマになってしまった。

これは2021年4月23日(金)、ニッポン放送・飯田浩司のOK!cozy-up に隔週金曜日のスピーカーである宮家邦彦・内閣参与がバイデン大統領が主催する「気候変動サミット」、地球温暖化、への見解を発信した。

説明は、kazanのこの数年、持っていた不思議に明快な「解」をみせたような解説で、元外交官らしい考えに、納得した。 特に切り口で話された、「頭のいいのがヨーロッパにいた」から、これは仕組まれたものの可能性を排除できないでいる。

一酸化炭素排出を巡る仕組の背景に興味が行く

一酸化炭素排出を抑制して、気候変動が収まるならそれはそれで結構なことに違いない。

しかし努力目標、目標の強制に抜け穴があることを、多くの人が知っている。

それが、排出炭素量の買い取り制度だが、最初にきいた時は「はァ〜、それ、な〜に?」の世界でしたが、目標以下一酸化炭素排出量であれば、目標量と排出量の差分の量を、オーバーした国に販売でできる制度が付帯していることだ。

簡単な話が、日本の工業生産が著しく伸び、GDPも予想以上に増えた時、当然ながら排出する一酸化炭素量は予定量を超えることになる。

そこで、生産を打ち切る経営者は居るはずも無いが、余裕のある国から、オーバーした量を買い取ることで、目標量を越えた分の排出量を増やせる仕組みです。

実に巧妙で狡猾さすら感じさせるレベルだ。

つまり、当事者で被害者が居ない構図で、反対者が論理的に存在しないし、仮に居ても、反対するのは猛烈なバッシングと囲い込み、国際社会からの排除を覚悟しなければならい。

温暖化の話はヨーロッパ発

宮家邦彦氏は、「冒頭に頭のいいのがヨーロッパに居て、その仕組みを考えた」と。。

温暖化の話はヨーロッパ発の仕組みで、現在の国際政治の場では、これを討議し、地球温暖化の時間足を遅らせようとするもので、表向き、排出する側には嫌でもこのゲームに参加せざるを得ないのが、国際政治の場、つまりゲームのルールになっている。

ゲームである以上、国際ルールに背をむける意思が無い以上参加する以外の選択肢は無いことになる。

宮家邦彦氏は言う、「逃げられないのであれば、かって、日本が技術開発で公害を克服したように、今ならまだ技術力で先行する絶好の機会になるかも知れない」

なるほど、もはや技術二流国、産業力三流国の筆頭でも、あるいはとも思えて来るから不思議だ。

「今、国際政治でリードしてるのは欧州勢で、リードする側が自分等に都合のいいルールを作り、日本に押し付けてくる現実がある」とも言う。

EUはリベラルの牙城

ヨーロッパといえば、EUが頭に浮かぶ。

欧州議会のあるストラスブールはフランス、事務局はベルギー・ブリュセルにあって、そこの職員は典型的なリベラリストで、運営予算の筆頭供出国はドイツであれば、年々リベラル色を濃厚にしているメルケル首相の意向だって忖度されてるかも知れないということになりそう。

さらにEUのエリアのジュネーブ(スイス)には国連人権委員会、国連欧州本部、赤十字本部があり、さらにダボス会議で知られる世界経済フォーラムもジュネーブにある。

昨今、これらの国際機関、国際組織のリベラル化は、主要先進国には深刻な問題になるほどで評判が悪い。

さらにEU

歴史的にEUというだけで、とかく日本はやり玉に挙げられる。 その意味で、英国のEU離脱に、英国の先見性を見ることができそうだ。

日清戦争の頃、「黄禍論」なるものが、登場したのも欧州で、あながちその延長上に日本が置かれて居るのかも知れない。

新階級闘争論

ソ連の崩壊が1991年12月26日で、それより早く、1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊した。

この事態で圧倒的多数の人間が、歓喜、興奮したことは言うまでもない。

しかし、少数の活動の目的、主体、運動の論理を失った左翼・リベラルは新しい切り口、論理、ターゲットを必死に模索した。

そして、たどり着いたのが、従来の階級闘争から新階級闘争への変身で、彼らは新たに人権、環境、差別(性、人種、宗教)等のキーワードで対立と分断構造を創出して弱者を設定し、その弱者がリアルな社会での対立構造に組み込まれ、弱者がかってのプロレタリアートにすり替わった。

これが新たな階級闘争の原理、つまり、新階級闘争に仕上げることに成功した。

狡猾で巧妙な組み立てはその構造の中に、伝統的な革命理論がインプットされているような思いがするほどで、その意味で左翼・リベラルは解りやすい。

門田隆將氏の「新階級闘争論」

2021年4月27日の虎ノ門ニュースに出演した門田隆將氏が自身の上梓した「新・階級闘争論」を切り口に発信した「新階級闘争論」の解説は実に妙を得た、社会科学、あるいは人文科学分野で明快な定義を思わせるほど破壊力のある用語だと確信する。

「気候変動」「排出量買い取り」「人権」「環境」「性差別」「人種差別」「宗教差別」「文化差別」領域の問題が、新階級闘争論という建付けで理解すると、全貌が見えてきそうだ。

つまり、正常な常識人であれば、どのキーワードも否定するのは難しい。 彼らの完成度の高さにおどろかされる思いだ。

素晴らしい「解」を創出されたことに感謝と敬意を記したい。

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