爆発直前の「圧力鍋状態」が現在の中国社会

中国

はじめに

2023年9月下旬。 今現在の中国社会を、「調理加熱中の圧力鍋」だと評した米紙の記事があった。 

中国国外から発信する中華系メディア人の中国関連・報道系コンテンツのほとんどは、まさに「圧力鍋」と揶揄した米紙情報を裏ずけする内容のテンコ盛りで、圧力鍋の加熱が止まるどころか日増しに加圧される状況で圧倒される。

個々の記事を取り上げるには、キーボードで、ブログ化しても、その量は毎日5件から8件くらいは視聴した情報から確認できるし、検索でヒットし、サイトにアプロ―した記事まで含めるなら、連日10件から15件くらいの中国ナンチャラ記事に接してることになるので全部をカバーするは不可能な状態。

言えることは、調理中の圧力鍋は、もはや調理人がふと調理場を離れた環境で、圧力鍋が、ガスコンロの上で加熱されている状態というのが的を得た表現だろう。

このひと月で記憶にのこる中国の異変

  • 習近平主席の南アフリカ・ヨハネスブルグ外遊での異変
  • 外遊帰途後の異変
  • 各地で発生する人災レべルの洪水災害
  • 政府高官の失脚
  • 軍高官の粛清
  • 伝えらえる経済崩壊の報道
  • 失業門題
  • 輸出の鈍化
  • 外資の中国脱出
  • 恒大不動産がNY市場に破産申請
  • 顕著な地方政府の財政悪化
  • ニュースから消えた、ナンチャラ中国の報道記事

中国特有のナンチャラ記事が激変

これまでは、中国社会特有のナンチャラ記事を伝えるニュースが、連日までとはいかずとも、微妙なタイミング、インターバルで海外読者を楽しませてくれた。

村で、一人の人身売買でゲットした女性を監禁して、当主やその息子、あるいは同じコミュニテ―で共有するようなおぞましい事件や誘拐事件人身売買。

中国各地で発生した銀行預金取り付け騒ぎや、預金引き出しが不可能になり金融機関に集まった預金者を銀行側が手配した警察権力が強制排除する事件。

焼肉レストランで食事中の女性客グループが同じ店内の客として来店して与太者グループに狼藉に遭い、抵抗したことで死亡者、負傷者が発生した事件が発生。 地元警察が当然しかるべき対応を取らない事件。

急峻な山峡の観光地に行き、そこが自殺の名所になるや、見知らぬ人同士が連系して共にダイブを決行する集団自殺が頻発

ナンチャラ記事が隠れた分、さらに深刻な「社会・経済系報道

ナンチャラ事件、現象が減るはずがない中国社会

中国人と中国社会については、2008年来、注視してきた経験で、ナンチャラ事件、ナンチャラ現象はかの国にはつきもので、決して減るはずが無いというのがKazanが到達した理解だ。 こうした話題がつたえられると、すでに12年近く住んでいる台湾社会との比較でナンチャラ状況を観察する習性があるものの、ほとんどのケースで、台湾では起こり得ない内容なのが普通だ。

同じ華人文化、華人社会でありながら、いくつもの状況はすべて中国特有の事象であること断言できそうだ。

ナンチャラが話題にならない程深刻な事態が発生している

ナンチャラ問題が報道スペースから追いやられるほど、他の深刻な事態が多発してるのだ。 その最大に問題が深刻な経済問題であり、政権構造に関する問題であり、軍の粛清に関する問題である。

そして、冒頭に挙げた直近に異変の各項目が多かれ少なかれ、背後、背景で関連しあっているのだ。 記録的な降雨によるダムの貯水量の危険水域に達するや、前後被害などお構い無しに、ほとんどの場合で、ダム貯水量調整で下流域住民に警告すること無しに放水を実行するの極めて顕著な共産党政権の体質なのだ。

河北省の水害

格好の事例として、河北省の洪水がある。

ダムの貯水量調整で放水したのは、他にダムの放水と同様の人災レベルの事項だが、河北省での放水の背景にあるのが、下流域にあるニュータウン・雄安新区の保全を確保するという目的で他の地域が犠牲になったといい事情が明らかになった。

雄安地区とは

河北省に位置する雄安地区は、習近平主席が主導するスマートシティーで最先端の人工ニュータウンとして世界的に注目されている一大プロジェクトである。 古来より、地形的その地区は、保水地区になっており、地域の雨量、流水水系が集中する場所で、専門家の見識ではスマートシティ建設にそぐわない環境という一般論を封じて、習近平主席が強引に押しすすめたプロジェクトである。

ダム管理者は習主席プロジェクトとして忖度が働いた

2023年3月4日開幕した人民代表会議で、習近平は独裁者としての地位を強固にしたと言われている。有無を言わせない強硬な体質、同会議の過程で演じた胡錦涛前国家主席の退場で遺憾なく権力を内外に見せつけることに成功した。

中国の法律では、大規模洪水で貯水ダムの容量オーバーとなった場合、一時的に指定された低地の保水地区に水を放流することが定められている。

こうした背景を知らないダム管理者は、増水でダムが決壊し、下流域にある雄安スマートシティが水害で水没する結果を想像したはずで、その忖度が先行し、最高で最大級の選択が速やかな放水だったはずだ。

中国の法律では、大規模洪水で貯水ダムの容量オーバーとなった場合、一時的に指定された低地の保水地区に水を放流することが定められている。

こうした中で7月31日に河北省は13の保水地区のうち7カ所に水を放流。対象にはタク州市や、習近平国家主席が打ち出した国家プロジェクトの一環として設置された雄安新区なども含まれた。

河北省共産党トップは8月1日、北京の洪水対策を巡る重圧を和らげる上で、これらの措置が必要だと強調した。

「北京を守るため、「保水地区」と称した街へ水を流す」 豪雨の中国 北京を守るため、「保水地区」と称した街へ水を流す | News Everyday

こうした中で7月31日に河北省は13の保水地区のうち7カ所に水を放流。対象にはタク州市や、習近平国家主席が打ち出した国家プロジェクトの一環として設置された雄安新区なども含まれた。

河北省共産党トップは8月1日、北京の洪水対策を巡る重圧を和らげる上で、これらの措置が必要だと強調した。

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異変の背景にある最大の隘路

2013年11月15日に第5代中央委員会総書記になった習近平は、翌年から国家主席に就任して、ひたすら既成構造を急速に破壊することで「総加速師」の異名がささやかれ、世界が期待する方向と逆行する意思決定を政策に矢継ぎ早に反映させてきた。

結果、組織のすべてが独裁者に忖度をする流れが醸成され、結果政治構造、社会構造、経済構造のすべてに分野で想像を絶する矛盾が表面化した。

この矛盾は、Kazanが2008年頃、youtube黎明期に誕生した保守系の複数のチャンネルで出演者が異口同音で予測した中国経済の破綻は、聞き手にはアバウトで「あと4,5年」、つまり2012年頃のイメージを誘導したが、今、それが10余年の時間を経て実現するような勢いだ。加熱され、釜の内部の気圧の閾値は越えてなお、圧力鍋の安全弁は作動しないでいる。

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